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現代の「わらしべ長者」になろう

皆さんは「わらしべ長者」という民話をご存じですね。貧しい農夫が一本のわら束をもらい、それを様々な物と交換していく話です。農夫はわら束から始まり、次々とより価値のある物に交換し、最終的には富を得ることになります。物語は、わら束が最初は価値がないように見えたが、上手く活用することで大きな成果を得る過程を描いた民話です。

私は、この民話は現代のビジネスマンのキャリアアップに通じる内容だと考えています。例えば、『小さな機会の活用』という視点で考えると、若手時代(キャリアの初期)に大きなチャンスを得るのは難しいですが、小さなプロジェクトや単純なタスクを真剣に取り組むことで、信頼を築きます。新入社員が単純なデータ入力の仕事を丁寧にこなし、上司に信頼されるようになると、次に重要なプロジェクトに抜擢される可能性が高まります。

次に『資源の最大化』という視点では、予算が限られていたり、適正な人財が集まらなかったり、少ない・足りない資源で創意工夫をすることが成功のカギとなります。企業の創業者が初期の資源が限られている中で、費用対効果の高い手法を駆使してSNSで知名度を高めることで、業績を上げることができます。

『ネットワークと人脈の形成』の視点では、ビジネスの世界は、価値のある人脈が成功を左右します。「わらしべ長者」が物を交換していったように、ビジネスマンも関係を築き、他者とのつながりを活用してキャリアを進展させることができます。「わらしべ長者」は1対1の交換でしたが、ビジネスでは1対Nの進展が期待できます。枝葉が分かれるように人脈は広がっていきます。

最後に『柔軟な思考』という視点では、最初に与えられたチャンスが小さくても、柔軟に対応し、次のステップに進むための戦略を立てることが大切ということです。プロジェクトの一部を担当していた社員が、そこで経験した知見やスキルを発展させ、別プロジェクトへ活用し成果を上げて、新しいプロジェクトのリーダに昇進することがあるでしょう。

「わらしべ長者」が交換していった“モノ”が、我々の世界では、「知識」「経験」「スキル」に当たります。我々は、現代の“モノ”を交換するのではなく改善し適応させることや、お客様が要求しているコトを実現するために活用することで、“モノ”自体の価値を高め、それを必要とするヒト(お客様)の幅を広げることになり、結果として「わらしべ長者」が富を得たように、ビジネスマンとしての達成感を得ることができるでしょう。

このように、「わらしべ長者」の物語は、どんな小さな機会も見逃さず、工夫と努力を重ねることで大きな成果を得られることを教えており、現代のビジネスマンにとっても価値ある教訓となり得ると考えます。

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