50代は働きマンの集大成
- ishikawa573
- 10月3日
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最近、役職定年制を廃止している企業の半紙を良く耳にします。ご存じの通り55歳になると役職が外れ、役職手当がなくなり収入も大幅にダウンします。これは、今までの時代であれば強制的にまね理化氏気力の無くなったベテランから責任と権限を取り上げ、若手に機会を与える仕組みとして成立していました。そのベースのは、働く世代人口の増加があったからです。昨今の少子高齢化の時代では、機会を与える次世代社員が減少して、ベテランを外したとしても交代要員が居ないのですから、企業としては変化がなくても現状のベテランを残すことで維持継続を図るのも無理はありません。しかしいずれにせよ60歳で定年が待っています。定年延長は現実化していくでしょうが、さすがに60代の人件費は圧縮させなければ、企業側の人件費対効果は下がるでしょう。
それでは、50代は悠長に構えていればいいのでしょうか?50代で“もう十分働いあた”等とか投げている人が居たら、役職定年制が無くても降格されてしまうでしょう。私は50代が率先垂範して組織を牽引していくトップランナーだと考えています。50代をキャリアの頂点と考える理由は、「まだまだ元気」「今までの経験の蓄積がMAX」「同年代の人脈がそれぞれの立場にいる」そして「60代になると陣人生の終盤の準備をしなくてはならない」というものです。
50代をキャリアのピークとしたときに、それまでの各年代で習得し試行しておかなければならないスキルはいったい何でしょう。私自身を振り返り考えてみた体系を以下に示します。
(1) 20代は、働くことの基本を理解し、自分の強み・弱みを認識して「土台」を作る時期
◆習得しておきたいスキル
➢業務遂行スキル(各業務の職能と基本的な共通技能)
➢コミュニケーションスキル(上司・同僚・顧客との報連相、対話の基本)
➢自己管理能力(タイムマネジメント、PDCAサイクル▻実践)
➢学習習慣の確(書籍・資格・外部研修などを通じた知識習得の行動の常態化)
(2) 30代は、プロフェッショナルとして成果を出すために「専門性×信頼性」で認知される時期。
◆習得しておきたいスキル
➢専門スキルの深化(業界知識・業務ノウハウの蓄積、資格取得など)
➢マネジメントの基礎(小規模チームのリーダ、育成スキルの初歩)
➢課題課題解決能力(問題課題発見〜解決のサイクル実践力)
➢対外対応力(顧客・パートナーとの交渉・調整)
(3) 40代は、「組織の牽引役」へ進化し、自分のではなく、チームや組織全体の成果を創出する時期。
◆習得しておきたいスキル
➢戦略的思考力(部門運営、全体最適、KPI設定とマネジメント)
➢人財マネジメント(部下育成、フィードバック、モチベーション管理)
➢変化対応力(業務改革・組織改革)
➢組織間調整力(他部署・経営層との折衝、リスクマネジメント)
(4) 50代は、今までのスキル発揮の最大化と後進育成の時期。
◆実践すべきスキル
➢知見の共有・ナレッジ伝承(業務・マネジメントの経験値の見える化)
➢意思決定力・経験知の活用(多面的な判断、リスク回避力、落とし所を見極める力)
➢経営視点での貢献(中長期視点での提言、事業継続性の判断)
➢人間的魅力・信頼形成(価値観共有、人生の先輩としてのアドバイス、共感力)

もう自分はその年代を過ぎていると言われる方もいるでしょう、これから50代を迎える方は、50代を迎えるまでに備えておけばいいのですから、今からでも足りていないスキルを身に付けていきましょう。もう50代だよと言われる方は、自分のキャリアを振り返り、スキルを棚卸して、それを後輩に伝承できるような形に纏めることから始めましょう。
50代を活動的に過ごすことで、60代からのキャリアにも繋がると考えます。50代のピークを高くすればするほど、ランディング(セカンドキャリア)は遠くまで伸びるのです。